本のこと⑦
はろーはろー私です。
今日は本のことを書きますよ。
今村夏子さんの『星の子』
まずは、あらすじ(以下、引用)
『大好きな父と母の愛情を一身に浴びて育った中学3年生のちひろ。両親は病弱だった彼女を救いたい一心で神秘の力を宿しているという水にすがり、次第に「あやしい宗教」にのめり込んでいった。たとえ親友が疑念を口にしても、ちひろの心が揺らぐことはなかった。思春期を迎え、新任の教師に恋をし、授業中にせっせと似顔絵を描き続けていたちひろは、次第に周囲が抱く違和感に気づき、初めての葛藤に直面していく。』
引用おしまい
えーっと、すっごく好みです。この本。
むらさきのスカートの女を読んだつながりで読んだんですが、これがダントツ。
この家族はちひろを愛して大切にしてる。
ちひろもこの家族が大切
なのに歪んでる。
なんだろ、この上手く言えない感覚。
大切にしてるのに歪んでて
この家族が一緒にいる限りは良い方向にはいかないだろうなって思ってしまう感じ。
何をもっていい方向というのかは分からないけれど。
子どもが親元離れるって自然じゃないですか。
自立という意味でとても自然。
でもこの親子にはそれ以外の意味も含まれてるっていうか……
地面が液状化してるから、土台がユルユルだから建物はたたない。
周囲の人間にも仄暗い攻撃性とか悪意がある感じ。
それは主人公の先生と主人公のやりとりとか色々な場面に散りばめられてて。
読んでて気持ち悪いなぁってなる。
家族が3人寄り添って星空を見て、本来なら平和な場面なのに、すごく不穏なんです。
そこに希望があって欲しいなぁ、と思ったりもするんですが。
余白が多くて全部を言い切らない感じが好きでした。
今村夏子さんの本、読み漁ってみようかな。
おしまい。